今日も今日とて、保釈許可決定に検察官準抗告される。判例に照らして適法な抗告理由すら見たことがなく(原決定具体的が理由を示さない以上、蒸し返し以上の書面しか出せないことは、同病相憐れむところがなくもない)、釈放を遅らせる効果しかないように思うが、それはさておき、四日市支部は朝9時申立から夜9時準抗告棄却まで、良くやってくれた。
夜6時に準抗告の一報を受けた時には翌週送りかと思ったが、填補1名を呼び寄せて実質2時間で棄却である。「(相対的には楽な)許可事案」と読み切って、検察意見も謄写しない(謄写しようにも、弁護士会四日市支部がファクスの謄写申請を受け付けてくれないので、県外からは謄写する術がない・・保釈請求書と一緒に謄写請求を同梱しても、今度はファクス送付をやってくれないんだろうなぁ・・)、検察官準抗告理由も謄写しない(対審構造の裁判なんだから、刑訴法を改正して同送義務を課して欲しいものだとつくづく思う)という乱暴な進め方をしたが、(保釈に進もうとしなかった私選を解任して4日、県外の事案としては、)まあやっただけのことはあった。

さて件名についてであるが、この案件、起訴後間もない・否認・一定の資産はある、という要素から保釈保証金額を占うも、罪名がそこまででもないことから、せいぜい400万円を想定して提示したが、裁判所は500万円としてきた。

そこでふと思ったのは、起訴直後・否認・一定の資産(全弁協とかに頼らなくて済む程度はある)、という要素の事案は、大概が500万円だ、ということである。
ぱぱっと思い起こして、ここ数年で8件は、そうなっている。
こちらも、請求審で許可を得ることが大事だと思うから、保釈保証金を出し惜しむようなことはしない。時には裁判所の斜め上を行くつもりで500万と切り出しもした。
そういったことも関係しているのかしていないのか、正確に分かるはずはないが、なんとなくこういう相場が形成されているように感じる。

(弁護士 金岡)