「明日の11時で」と接見予約を入れようとしたところ、「明日は9時から17時まで接見室を工事するので使えません」とのこと。
時と場合によりけりだが、今回は変更がきかない接見だったため、「なんとかすべきだ」と対応を求める。
結果、徒歩数分の分庁舎で接見が実現した(分庁舎と言っても、もとは独立した警察署であったものが、その後、統合されたというもので、立派な接見室が取り壊されずに残っていたのが幸いした)。
徒歩数分とはいえ、非常事態につき、急遽の人員配備など、労苦はあったろうと推察する。まさに「防御権の尊重に特に留意しなければならない。」(被収容者処遇法31条)の面目躍如である。
・・それに引き替え(同じ愛知県警~愛知県知事であるが)、本欄本年7月16日の控訴審判決に対しては、愛知県は上告するとのこと。
刑事課経由の初回接見の申し入れに対し、留置管理課において接見室の予約があるという回答をした後に、予約した側の弁護士から部屋を譲渡しうると言う申出があった、その申出を、漫然と折衝窓口である刑事課に伝達せず、その結果、初回接見が妨害されたという、単純明快な失策に、まだ何かあるとでも言いたいのだろうか。
最初の事例はM警察。今ひとつの事例は一宮警察。
現場の意識の持ちよう一つで接見が実現したりしなかったりする、では済まされない。どの現場でも、被収容者処遇法31条の理念が余すところなく実現されなければならない。
余談だが、「事実上の予約制度」には、功罪あると思うが、当日ふらっと接見に行き、工事中でした、では、大もめ必至である(警察署は、予め組まれていた工事であるからには、例え8時間といえど接見が出来ない状態になることについて、事前に弁護士会に~休日だったので一般面会は慮外のこととして~告知するくらいすべきだっただろう)。そこから分庁舎に押送して貰おうとなると、障壁はよりあがるに相違ない。という意味では「功」の方であった。
(弁護士 金岡)