北海道弁連のウェブサイトの「声明・宣言」にリンクが貼られている。
(1)IT化により裁判所支部機能の縮小ひいては防御権の後退に繋がらないように。(2)身体拘束に係る不服申立をファクスで可能に。(3)国選報酬を過疎地域の実情に合うように。
以上の内容である。

旭川市内の弁護士が稚内の留置場所に接見に行くのに、片道250キロ、自動車で4時間、悪天候となれば更に長時間化し、生命の危険を伴いかねないとのこと。
なのに国選の遠距離接見加算は8000円。直線片道50キロ以上で8000円加算だから、それと同じにされては適わないというのは良く分かる。×5で4万円加算されたからどうなるというものでもないだろうが、とにかく大変だとしか言いようがない。

旭川弁護士会とは少々御縁があり、研修の御依頼も受けているが・・果たしてここで名古屋市内の弁護士の捜査弁護論は通用するのだろうか、と思わなくもない。逮捕されたら最小限度の手続き後には初回接見を!といっても、最速4時間ではなんともなるまい。夕方勾留されたらすぐに準抗告して同日中に釈放を目指せと言っても・・。そもそも連日接見が成り立つのだろうか。ついでにいうなら、稚内市内での取調べに立ち会えと言われたらどうなるのだろうか。
頭では分かっていても、具体的数字、事例で突きつけられると、現実は重い。勿論、変えられるべきは現実の方であるが、俄に特効薬があるわけではない。司法過疎では(弁護士が生命の危険を冒してなお)釈放に数日待ちが当たり前、と言われて、それは合憲なのだろうか。司法アクセスは優れて憲法的な問題である。改めて突き付けられた思いだ。

(弁護士 金岡)