かねてから、整理手続・反対尋問・尋問異議の研修は一体であるべきだと思っていた。とはいえ、整理手続だけで3時間は欲しい。反対尋問にも同程度必要となると、全てを一体化した研修は不可能であり、今回、試みとして尋問異議に特化した研修を企画した。
第1部 理論編
第2部 実演研修
第3部 実践例紹介

第1部は尋問異議の基本をお浚いした。日頃何気なく出している異議を改めて理論的に整理するだけでも勉強になる。
第2部は、(わざと)異議を出すべき尋問を行い、受講者に異議を出して貰うものである。場数を踏まないと、腰を浮かした時には既に次に進んでいる・・とか、ちょっとした反論で日和ってしまう・・というようなことが起きる。また、異議理由の構成次第では逆に言い負かされるなど、色々と実験出来たと思う(尋問者をやりながら、同時に講評も担うのは些か骨が折れた)。仲間内で本気で異議の議論をする機会というのはあってよい。
第3部は自身の実践例の紹介である。教科書通りには行かないと言いながらも教科書に載せられるような実践を日々、意識しているが、教材を作っていると伝聞の異議が未処理のままになっている尋問調書を発見したりして汗顔の至りであった。

やはり尋問研修の一部として済ませるには内容が分厚い。
それを再認識する良い機会となり、実験台もとい試作品のお披露目機会を頂いた単位会には感謝申し上げたい。

(弁護士 金岡)