仕事量は適量でなければならない。かつてABAの死刑事件弁護ガイドラインを引いて力説したが(本欄2016年6月3日)、次から次へと依頼が舞い込む時、どれを優先し、どれをお断りするか、また、他所を紹介するにしても適性を見極めたり、費用で揉めることがないか気を遣わなければならない・・等々、とにかく過負担になる。

この一ヶ月を振り返って見ると、刑事事件だけで10件以上の依頼が来ていたことが分かる。
・とある特捜事件
・とある特殊詐欺事件
・とある特殊詐欺事件の控訴審
・口座を利用され一味と疑われている事案
・詐欺事件
・名誉毀損
・脅迫事件
・風営法違反
・風営法違反
・覚醒剤取締法違反
・大麻法違反(在宅)
・大麻法違反
・迷惑防止条例

思い出せるだけでもざっと、これくらいである。
うち受任したのは3件程度で、あとは愛知刑事弁護塾の若手などを紹介し、引き取って貰っているか、私選にするか再考を促す、等々の措置を取っている。中には以前の依頼者の案件もあり、そういうのは優先的に受任したいところではあるのだが、如何せん、殺到していると事件そのものの優先度で判断せざるを得ない。
中には本欄昨日付のように、他所に回している間に時機を逸してしまうものもあるから、自分自身が緊急対応出来る余力も残しておく・・のが望ましいのだが、勿論、それは理想論に過ぎない。どうしてもと判断すれば、私生活を削るしかない。

相当割合を、電話で相談に乗った上で他所に紹介する程度の対応をする場合、相談料を頂くべきなのだろうか、また、紹介に要した手間暇に見合う費用も頂くべきなのだろうか。よその弁護士がどうしているかは、少し知りたいところである。

(弁護士 金岡)