またか。と思う話である。
接見等禁止決定に対する準抗告。
「被疑者について妻との間で自由な接見等を許せば、被疑者が妻を通じて罪体及び重要な情状事実について罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があり、これを勾留のみによって防止することは困難であると認められる。そうすると、弁護人が指摘する接見等の必要性や約3週間前の接見時の様子等を踏まえても、妻や1歳の子も含めて接見等を禁止した原裁判に誤りはない。」(名古屋地決2024年11月15日、森島聡裁判長、津島享子裁判官、永野朋子裁判官)。
この妻子が、3週間前に別事件で一部解除・面会していること、その時に何ら罪証隠滅を疑わせる事情はなかったことから、その3週間後にそのような事態を疑うことができるか自体、懐疑的ではあるのだが、ここでの本題ではない。
ここでの本題は、わざわざ「・・1歳半の未成熟子であり、言葉も碌に話せないが、同人と被疑者との面会を認めることのどこに、刑訴法が要求する、罪証隠滅の現実的可能性が極めて具体的かつ高度である事情が見出せるのか、見当も付かない。」として1歳半の未成熟子に刑訴法上の接見等禁止要件があるのか?を問うたのに対し、「1歳の子も含めて接見等を禁止した原裁判に誤りはない」という返答が返ってきたことである。
まあ、馬鹿馬鹿しすぎて、大して書くことはない。裁判所は相変わらず、馬鹿だなぁと思うしかない。付ける薬がないとはこのことだろう。
「1歳児でも出来る罪証隠滅」を容易に想定出来るお歴々にかかっては、憲法も刑訴法も形無しである。
誰か、「裁判官でも理解出来る刑訴法の教科書」を書いてくれないだろうか。
(弁護士 金岡)