共謀罪の成立間近と報じられている。参院独自の審議実態は殆ど報じられていない印象である。
思えば、特定秘密法、安保法制、盗聴法改悪、共謀罪と、国家秘密と国家裁量ばかりが版図を拡大する一途の数年である。GPS大法廷判決が「私的領域」の憲法的保護を打ち出したというのに壊憲は止まるところを知らない。(私の仕事もそうだが)依って立つ憲法が奪われることの恐ろしさが浸透しないのは、やはり教育から問題と言うことだろうか。
私は政治には疎いので無責任な提案に過ぎないが、野党は、さしあたり上記の点に絞った共通公約を打ち出し、選挙で勝てば上記を白紙に戻す、という青写真を示すべきではないか。いわば時限政権とでも言おうか、そのためだけに政権を担い、民意を反映させ終われば他の負託されていない部分に手を出すことなく解散総選挙を行う。そうでもしないと、論点のすり替えや、憲法的基盤に興味を持たない層、組織票や義理人情といった要素の前に、同じことの繰り返しが出現するだけだろう。
論点主義的な選挙は危険を伴うが、憲法の危機に際しては、そうも言っていられないのではないかと感じる。
(弁護士 金岡)