先日、何も言わないうちから裁判所に謝罪されるという珍しい経験をした。
なんでも、「裁判所が毎週、翌週の期日情報を検察庁と共有するために検察庁にファクスしている期日一覧表」なるものがあり、これを誤送信で法テラスに送ってしまった、個人情報漏洩、申し訳ない、というのである。
謝られなければ気づかないこの話、先手で詫びを入れてきた裁判所は潔い、と。
これで終わればよかったのだが。
依頼者=被告人にも謝罪したのか?と尋ねると、詫びを入れてきた庶務課長曰く、謝罪していないという。
仕事でやっている弁護人の名前を漏洩させたことより、刑事事件という不名誉な修飾語付きで私人の被告人の名前を漏洩させたことの方が深刻ではなかろうか。
相弁護人ともども、裁判所は「ずれている」なぁ・・と嘆息したものである。
(弁護士 金岡)