こういう経験談は幾つ書いても悪いことはない。
「転倒現場」に対する実況見分に立ち会った。当初は「立ち会うというなら令状を取る」と、令状を取ってでも弁護人を排除する気勢を示していた捜査機関も結局はこれを断念したようで(大事になるのを嫌忌して日和るとでも考えるのだろうか?浅はかだとは思うが、恐れ入って引き下がる弁護人も大いにいそうではある)、普通に実況見分に同行し、相当部分を録画した。
捜査としては、ルミノール検査をやるというので興味深く見ていたが、
・霧吹きであんなに高くから振りまいて、適量が隙間なく散布されるのだろうか?
・振りまけた範囲を特定しもしていないが大丈夫か?
・現場には諸事情により食用肉片が散乱しているけど、これ良いの?
等々、疑問符だらけの捜査であった。ああいう次元で、日々の捜査が行われているとすれば、事態は我々の想像を超える(低い方に)。
他にも「良いこと」(副産物)は幾つもある。
現場百辺、そして、依頼者の隣で守る、適正手続を監視する。
刑事弁護の醍醐味である。
(弁護士 金岡)