季刊刑事弁護第19回新人賞授賞式記念セミナー、ということで、保釈についての講義を依頼され、本日、実施した。
考えてみれば、勾留を巡る研修は捜査弁護研修で取り上げるが、公判段階の研修は整理手続や尋問が中心で、保釈を正面から取り上げた研修は(する方でも受ける方でも)記憶にない。「保釈90」販促も兼ねてはいるのだろうが、なかなか興味深い企画であった。
研修レジュメを初めて起案したわけだが、いざ話してみると、やはり造りが甘いことは否めない自覚である。
取り上げるべき内容としては、
1.保釈準備を始めてから最短で請求に漕ぎ着け、その日中に判断を得るための工夫、
2.証拠構造を想定して4号事由を論じる、
3.罪証隠滅や逃亡との関係で積極的に条件提示していくこと、
4.疎明資料の作り方、特に本人の供述書、身元保証書の作り込み、
5.例え起訴直後で保釈を得られなくとも手続を加速させて再請求する、
6.上訴保釈
等々、多岐に及ぶ。
もう少し体系立てて、積極消極の事案を複数紹介すれば、かなり有益な研修になるのではないかという手応えではあった。
(弁護士 金岡)