自身の有罪が確定したA氏が、共犯者B氏の公判に証人として出頭することになり、検察官が証人テストを要請したので、元弁護人だった弁護士が同席した。
これは大阪地検の事案である。
もっと言えば、本欄2021年11月30日「大阪地検でも、弁護人を無視し恫喝する事態に」の続きである。

つまるところ、起訴後被告人に対する余罪調べにおいて、弁護人の立場から、「現役」弁護人が同席を求めても拒否どころか無視されるのに、確定後に証人テストで「元」弁護人が同席する分には構わないという。
別の箇所で触れたが(被害者代理人としての同席に関する本欄2022年8月10日)、被害者代理人としての同席も問題なく、上記のように証人テストにおける証人代理人としての同席も問題ない。
被疑者弁護人、被告人弁護人としての同席だけが頑として拒絶され、剰え庁舎からも追い出しを喰らう(本欄本年1月7日など)というのは、どうにも理解出来ない序列である。

そういえば、かつて、被害者C氏(暴行脅迫を受けて法禁物の受領を強要された)が、強要した側の被告人D氏の公判に証人として出頭することになったので、その微妙な立場に鑑み私が同席を求めたところ、紛糾した挙げ句、「じゃあ被疑者として取り調べます」という無茶苦茶な遣り口で、同席を排除されたことがある(名古屋地検)。
このような検察庁の遣り口(弁護士の同席を排除するためだけに、本来、被害者であるC氏を無理矢理に被疑者扱いし、証人テストどころか立件してしまう、あからさまな権利濫用)が災いしたのかどうか、D氏は一部無罪となった。
天に唾するようなものだなぁと、大いに嗤った記憶がある。

(弁護士 金岡)