本年1月7日付け本欄「名古屋地検、代理人弁護士を戸外に追い出す」にて、被疑者調べに出頭同行した弁護人が、立会はおろか近傍での待機すら認められず検察庁の建物外に追い出された事態を報告した。

先日、私が被疑者調べに同行した案件があったが、この時はそのようなこともなく、取調室徒歩10秒未満の待合室で待機することと相成った。
立会は相変わらず認められないが(国会答弁にいわゆる取調官裁量が、一律不許可という庁の方針により機能不全に陥っているのは違法ではあるまいか・・裁量行使の在り方に関する内規すらないのではないかと疑う)、緊張して吐きそうだとこぼしていた依頼者がものの1~2分で戻ってきたことも含め、最低限の仕事にはなったというところか。

庁舎外へ追い出す・追い出さないは、庁舎管理権者の判断だろう筈であるが、前記事例と今回とで対応が全く異なることは理解に苦しむ。おそらく前記事例は、傲慢にして無知な検察官の独断だったのではないかとも疑われる。
いずれにせよ一朝一夕にして事が成るわけではなく、各弁護人が高い意識を持って地道に積み上げていくほか、あるまい。

(弁護士 金岡)