1年ごとに事件数を取り纏めて振り返っている。

民事家事の増減は割と頻繁なので事件数自体は大きく変動しない模様である。代理人の個性が大きく災いしてか依然として過剰に紛争化する家事事件が増えている(という所内統計的な裏付けがある)ことについては弁護士会も深刻に受け止めるべきではないかと思われる。

刑事事件も似たり寄ったりの数字が続く。差し戻し審2件が含まれているのが特徴らしい特徴といえるかもしれない。いずれも検察庁の失態と言うほかない事態での差戻であるが(ということは第1審が非常にだらしないという意味でもある)、録に後戻りできない検察庁に未来はないだろう(とはいえ、裁判官の独立を隠れ蓑に、誤判原因の検証すらしない裁判所とどっこいどっこいかもしれないが)。

行政事件は、当然と言うべきではあるが、「弱いものいじめ」が目に付く。例えば、刑事事件での有罪判決が、職の喪失、退職金の喪失、資格停止、賠償請求、名誉毀損報道など、三重四重にのし掛かる場合である。おまけに先方は体力財源無尽蔵と来ている。公権力の行き過ぎを是正するための訴訟等には結果に見合った補償措置が必要だとつくづく思う。

2019 2020 2021 2022
刑事事件
捜査 6 4 10 8
第1審 13 14 12 12
控訴審 3 1 3 3
上告審 4 3 1 0
26 22 26 23
行政事件
訴訟 6 13 16 9
それ以外 8 6 8 4
14 19 24 13
民事事件
訴訟 24 20 18 18
それ以外 33 29 21 19
57 49 39 37
家事事件
交渉 6 5 6 5
調停審判 4 3 4 7
訴訟 4 4 5 5
14 12 15 17
総計 111 102 104 90

(弁護士 金岡)