愛知県弁護士会の研修で、主に既決の刑事処遇を扱ったものを受講した。講師の川本一郎弁護士は(確か)刑事施設視察委員をされていることもあり、精度の高い情報が期待出来た。付け加えるなら、既決の刑事処遇については、なかなか具体的なところまで知ることが難しい。他の弁護士の経験を盗むに如くはない。
以下は印象に残ったところである(項目以外は私の感想)。
系統だった学習ではないが、知っておいて損はないだろう。
1.外国人受刑者が「軍隊式」行進に疑問を呈する
日本人でも異様には思うが、やはり「意味が分からない」のだろう。
2.弁護士を通じて刑務所の希望を出せる
あまり効果はないということだが。
確かに、社会復帰環境を伝えて地元処遇を求めることはあった。
3.医療の引継ぎ、連続性は絶望的
服役前の医療は引き継がれないし、服役中の医療も引き継がれない。
カルテ開示は出来るようになったはずだから、服役中の医療は可能になったと思うが、やってみないことには分からない。
4.性犯罪処遇プログラムは一つだけ
これは意外な情報だった。
講師曰く、処遇プログラムの受講者が再犯で再度服役し、また同じ処遇プログラムを受けることがあるのだとか。
5.死刑求刑の無期判決に仮釈放なしはデマ情報
6.自弁物品は何故、高いか
応札業者が1社だけだったからだとか。
7.作業報奨金の前払い制度は機能不全
月々の報奨金が刑事施設側で積み立てられていることすらないそうである。
月々の報奨金を国側が流用している、と言われても仕方あるまい。前払い制度が機能しないとしても、月々の報奨金自体は発生しているはずなのだから。
(弁護士 金岡)