件名が公表された。
https://www.hrw.org/ja/report/2023/05/24/384885
少しだけ情報提供したこともあり、名前も出ているが、汗顔の至りというものである。
堅苦しい報告では無く、人質司法の被害者の肉声をふんだんに盛り込んだものであり、読み物として成立している。気楽に目を通してみることをお勧めしたい。
敢えて一つだけ、中身を紹介すると・・やはり「検察官に対して」の提言第2項として、「保釈申請への反対は、無罪の推定と個人の自由に関する国際基準に沿ってのみなされるようにすること。」を挙げておきたい。
「否認しているから、これこれをしでかすかもしれない」という反対意見が、無罪の推定に反していることを理解している検察官がどれほどいるだろうか?また或いは、「これこれの争点について審理が未了だから保釈に反対」という意見も、これまた無罪の推定に反することを理解している検察官がどれほどいるだろうか。
寧ろ否認していればこそ、対等当事者として土俵に上がる権利がある。そのことを妨害され続けた被害者の肉声を集めただけでも、この報告書は貴重である。
(弁護士 金岡)