弁護人が物理的に出頭できない公判期日を指定されたので、期日指定に対する異議を申し立てていた事案がある。本欄本年6月1日、16日の記事の続きである。

申し立てて25日が経過し、さっさと判断しろと上申するも無視。
申し立てて42日が経過し、いよいよ期日4日前というのっぴきならないところまで来たので、やむなく、予備的に期日変更請求(但し異議の判断を先にしろと書いた)、忌避申立、ついでに刑訴法277条に基づく司法行政上の監督処置請求を申し立て、国賠訴訟も予告したところ、途端に期日変更の打診があった。

さて、「どうして異議を放置したのか説明せよ」と求めたのが件名の関係であるが、そのまま書き写すと、「『期日の変更』ということであれば応じられますが、ただ単に『期日の取消し』のみを求められていたので、それには応じられないため現在まで判断を行っておりませんでした」ということである。

・・日本語に翻訳して欲しい。
違法な期日指定を取り消せという申立が適法ではないという意味なのだろうか?何を言いたいのかが分からない。

更に、「応じられないため」裁判をしないというのはどういうことなのだろうか。
応じられないなら異議を棄却して、上級審の判断を仰ぐ機会を設けるのが筋だろう。
応じられない申立は放置するという文化はどこから来たのか・・もし、この裁判官の法廷で検察官主尋問に異議を出すと、「応じられないので判断しません」ということで裁判が止まってしまうのだろうか。想像すると滑稽である。

司法行政上の監督処置請求に対し内部的な反応があったのか、さもなくば大事になってきたので慌てて火消しに走ったのか、どうせそんなところだろう、と思う。
塵芥の如き、とは、こういうことを言うのだと思う。

(弁護士 金岡)