整理手続研修を実施した単位会から、「続き」の反対尋問研修の依頼を受け、実施した。
整理手続と反対尋問は本質的に一体なので、その繋がりを意識した研修は非常に価値があるのだが、如何せん、どちらも取り上げる内容が多いため、そう簡単ではない。1年半越しとは言え、繋がりを意識した研修は意義があった。

反対尋問の理論は、自分の中でそれなりにまとまったものが既にある。
しかし、より最近の実践例を踏まえ、より内容を洗練させようと思案したため、研修直前に「専門家証人の崩し方」を書き下ろすなど、どたばたし、結局準備に9時間以上は費やした。
それにしても、自分の尋問例を引っ張り出して、実践に理論が伴っているかを再点検していると、やはり嫌でも至らぬ部分が目に付く。受講された経験豊富な先生方が、過去の失敗を想起させられる辛い研修だったと冗談めかして仰っていたが、準備する方も同感である。しかし、それでなければ技術の進歩は望めないわけで・・いつも言うことだが有り難い機会を頂いている。

春には、近時の裁判傾向を踏まえた身体拘束に対抗する研修の依頼も来ている。
どこに出しても恥ずかしくない実践を積み上げるべく、経験に溺れることなく、やらねばと思う。

(弁護士 金岡)