民事調停の話題である。
市立高校の通学路沿いの住民が、生徒らが屯したりゴミを放置したりすることについて、校則の改正や警備員の常駐を求めて調停を申し立てたところ、自治体側(豊橋市)は一定程度の要望(駐車禁止の張り紙を増やすなど)には応じたものの、校則の改正や警備員の常駐については応じないとし、それが困難な事情があるなら説明して欲しいと要求したことに対しては「説明する気は無い」として不調を求めた(調停委員を介した情報)。
不調は予期されたことであったが、「(説明しようと思えば説明できるのに)説明する気は無い」とにべもなく対応されたことは流石に看過できず、後の国賠にも必要な事情になると判断して、「不調にするなら、(説明しようと思えば説明できるのに)説明する気は無い」という不調経過であることを調停調書に明記するよう求めた。
すると担当=柴田和也裁判官は、「豊橋市は個別対応出来ないということで不調にする」と、いきなり話を変えた上に、「(説明しようと思えば説明できるのに)説明する気は無い」という不調経過を残すことについては、「調停調書は調停合意を書くもの」「不調の経過は書かない」としてこれを拒否した。
更に、こちらが裁判官の対応が不合理であり、そういうおかしな発言を録音してでも対抗せざるを得ないと抗議したところ(現状、これは非違行為になり得るため、よほど顕著な正当化要素がない限り、やるものではないが)、「録音するなら大きな問題にするしかない」と連呼し続けるだけの機械と化し、最後は不調と叫んで電話を切られた。
同席していた当事者は唖然としたようで、「感情的で話も出来ない裁判官」「話し合いのプラットフォームがない」と嘆いていたが、同感である。思い通りにならないと、感情的にわめくだけの機械と成り果てるような裁判官が、市民の信頼を勝ち得ようはずもない。私的行状で国民の信頼に違背したと法曹界から追放してしまうような動きもあれば、恥ずべき喚き散らしもお咎め無しの裁判官もいる。なんたる落差だろうか。
都合の悪い調停経過は調書に記載しないとしてもみ消しにかかる点も、ひどい。手続経過は期日調書でしか証明し得ないところ、もみ消したい張本人に期日調書作成権限を与えては、手続監視が成り立たない。(という記事を書いている最中、今度は、さいたま家裁の裁判官に同じことをやられそうになった。手続を無理矢理打ち切るというので、その粗雑な訴訟指揮を全部書けと要求したら拒否・・じゃあ忌避するという話に発展したところで(電話会議で忌避は出来るのだろうか?)何とか翻意させたが、本来、監視を受けるべき権力行使主体に手続調書編集の絶対的な権限を与える仕組みは始末が悪い。)
調停が非公開であることを踏まえても、おかしなことはおかしなことだと公に示しておくことは重要であろう。本欄にて取り上げた次第である。
(弁護士 金岡)