本欄10月19日で取り上げた貸し机の件。
「ない」という嘘をつき、嘘をつききれなくなっても「1日1回10分」という不合理な制限をかけようとしてきた、愛知県警、中村警察署の話題である。
念のために留置施設視察委員会の活動に詳しい情報筋に取材したところ、「1日1回10分」などという制限は聞いたこともない、寧ろ、2022年度中に「各留置施設において、小机を再整備し、貸し出しについて告知事項に追加記載して、活用を図った」という報告が、県警本部留置管理課からされているくらいだと説明を受けた。
やはりそうだよなあとうんざりしながらも、苦情書を送付すると、次の接見時には即刻、「1日1回10分」という制限がなくなったと、依頼者から報告を受けた。
曰く、複数名から貸し出し要望が出て、大いに盛り上がり、「革命でしたね」ということである。
捜査弁護の担うべき機能の1つに、(釈放が実現するまで)少しでも居心地を良くし、不当な人権侵害がないように監視することがある。間接的には依頼者の防御力を増すことから、疎かには出来ない役割である。留置施設において違法不当な取扱が横行することは日常茶飯事であり、渦中の依頼者は「こんなものか」と声を上げないこともままある。ちょくちょく、こちらから不自由していることを聞いて、問題提起していくことが重要である。
(弁護士 金岡)