毎年10月あたりに、事件数を数えることにしていたのだが、2024年10月はどうしても手が回らず、しかし折角やっていることなので何とか、きりよく2025年1月にはやりたいものだと思っていたが気付いたら月末である。
明日明後日の締め切りが3通はあるような気がするが、ここを逃すのも業腹だったので大雑把には数えてみた(数字的には2024年末くらいのものと思っておく)。

本欄でも時折言及しているが、事件数は自覚的に抑える必要がある、というのが近年の問題意識である。件数を誇る必要はないし、なるほど経験はまだまだ蓄積したいものの、開示される記録はどんどん膨大になる一方、責任ある仕事をするための適正な仕事量は、依然として模索中である。

(刑事事件)28
捜査段階 5
第1審 16
控訴審  5
その他  2

第1審が多いのは有り難いと言えば有り難いことである。どうせやるなら、第1審が一番、自由闊達にやれることは疑いようもないだろう。
16件のうち少なくとも9件は、公判入りの目処が立っていない事案であり、先々のことを考えると「28件」という数字は、限界をやや超えている感はある。

(行政事件)21
訴訟 13
その他 8

特徴的なことは、第一に国賠事件が増えている(裁判所は国賠も一般民事に分類するが、うちは行政事件だと思っている)。第二に、公務員等の身分上の措置に関わる行政手続段階の事件が増えている、というところか。
行政手続段階から関われることには意味があると思う。弁護士が想像する以上に、行政手続段階は杜撰なものが多く、今現在、与えられている法の仕組みを十分に活かすことすら出来ていないように思われるからである。

(民事家事)38
訴訟案件 11
家裁非訟  2
示談交渉 23
その他   2

調停や審判が、バタバタと終わった端境期なのか、そういえば最近、家事調停に行っていないような気がすると気付いた程度の変化はあるようである。
刑事行政が突出していることを「除けば」町弁という自負はあるし、偏りのなく広い見識を失わないためにも夫婦関係調整や交通事故などの一般的な民事紛争は苦にならないが、どうしてもうちでなければならないという事案がそうそうあるわけでもないので結局は他所に引き取ってもらうことの方が圧倒的に多いのは残念である。

(総評)
全部で87件とすると、やや減らすことには成功しているようである。
過去5年と比べて、3桁を下回ったのは2022年だけだが、それと遜色ないところまで減らせてはいる。負担感からすれば、もう少し減らしてもまだまだ適正は遠いように思うが、期待してこられるのを無碍にも出来ないから、ここら辺が限界なのかもしれない。

(弁護士 金岡)