本日、保釈却下に対する準抗告認容決定を得た(景山太郎裁判長、引馬裁判官、那智裁判官からなる合議体)。
10月7日に起訴→同日保釈請求・却下→8日に準抗告・棄却→特別抗告棄却→21日に証拠開示を受けて公訴事実に対する意見+証拠意見提出→同日保釈請求・却下→22日(本日)に準抗告・認容、とこういう経過である。本日午後7時過ぎ、保釈保証金を納付した。
余談だが、土曜日に準抗告を出す展開になる場合、前日中に「土曜日に準抗告を出すので判断して欲しい」「認容された場合に備え出納係の手配も御願いする」あたりの根回しと、現金を手元に置く工夫が必要である。無理をして(本日について言えば、未明に起案、始発で提出、午後6時に認容の連絡を受けて急遽、事務所に逆戻り、という慌ただしさである)保釈許可を得ても、釈放が週明けでは浮かばれないからである。遅くまで待機頂いた担当部書記官、出納課職員には頭が下がる思いである。
さて、この件は、7日の保釈見込みを6:4と見ていた。つまり、「まあ通るだろう」という見通しであった。私が受任する前に録音録画付きの検察調べも行われており、そこに「第三者」は一切、登場しない筋書きであったから、最も保釈の障害となる「第三者に働き掛ける現実的危険云々」は言いづらいと読んだからである。
しかし、8日の決定で、第三者に働き掛ける危険が明言され、第1回公判期日を待ち応訴態度を具体的にさせるまで保釈は適当でないとされたのである。
「今後、第三者が登場するかもしれない」「登場させたら働き掛けるかも知れない」「働き掛けたら第三者がこれに応じるかも知れない」という、「かもしれない」の三乗である。
驚いたことに、今回決定でも、「かもしれない」の三乗に基づく現実的危険論は維持された。曰く、「現時点での主張には第三者は含まれていないが、自己の主張にそう供述をする第三者を作出することはあり得るのであって、そのような目的で第三者に働き掛ける現実的な可能性も否定できない。」というのである。
折角の認容決定ではあるが、これは頂けない。(続く)
(弁護士 金岡)