季刊刑事弁護通巻91号に、身体拘束されている被告人が(接見室以外で)証拠物を閲覧した経験談をまとめた論考を寄稿した。本欄「 身体拘束された被告人の証拠物閲覧」で紹介した経験談に、法的な考察を加えたものである。
同誌に寄稿したのは、ひょっとすると79号(黙秘が武器になる特集)以来かも知れない。寄稿の量が減るというのは、実践が減っているのか、少しく研究的な層と距離が出来てしまっているのか、その両方か。余り望ましいものではない。
思えば(記憶に依れば)司法修習時代の平成13年に定期購読を始めてから15年余の付き合い、息長く地道に刑事弁護を支えて下さるものだと頭が下がる。ここまで程度を落とさず弁護実践に向き合う雑誌は他にはなく、追随を許さない。なんとなく反省含みで、妙に感心した次第である。
(弁護士 金岡)