先日、はじめて一部執行猶予判決を受けた。
実刑判決の一種で、近時、法定されたこの制度は、刑事政策的にはいわゆるダイバージョンDiversionとして注目されているだろうし、そろそろ実際に実刑部分を終えて残刑部分の執行を猶予され釈放された方々も出ているだろうから、徐々に検証も始まるだろう。

私の事件の場合、検察官は実刑求刑、こちらは再度の執行猶予(刑法25条2項)を主張していたので、どちらも一部執行猶予を求めていない。これまで服役経験がない被告人とあって細やかな処遇決定が可能な情報も乏しい(弁護側立証としては、起訴直後に保釈を得て、継続的な治療を受けて貰っていたことから、その部分を立証した)。そのような中、かなり短期の刑の8割を実刑、2割を執行猶予とする判断であったが、どれほど科学的なのかは今一つピンとこない。
大枠として実刑不可避と判断した上、見所があるから一部猶予にしてみた、という程度のことなのだろうか。
裁判員裁判では「反省会」と称する意見交換会が法曹三者間で個別に持たれたりもするのだが、こういう場合も後学のため真意を聞いてみたいと思う。

(弁護士 金岡)