ちょうど2年前の本欄で、釈放の裁判に対する検察抗告への判断が土日を跨いだことに「捕まえる方は熱心にやるが釈放の方はそうでもない」のかと批判した。
とかく年末は、そういう問題が起きやすいようで、本年も12月28日に保釈を請求する羽目になった。ところが裁判所は、「検察官の意見が1月4日になるので、判断も1月4日にします」と、通告してきた。
勿論、憤慨して抗議文を出したところ、先ほど判断がされた。
1月4日になるという話はなんだったのか?抗議を受けた末とはいえ、心を入れ替えてくれたのなら、それ以上に言うのは大人げないというものか。
この件を他県の弁護士と話していたら、そちらでは休日の(釈放方向の)身体拘束裁判について、根気強く法曹三者で話し合い、大まかな取り決めが出来ているという。
曰く、「検察庁は担当検事がいなくても必ず別の者が対応するようにする,と約束するに至り,ただ,一から記録を読むので担当検事よりは少し時間がかかりやすいのは了解願いたい,ということで運用されてます」とのこと。また、裁判所も、「保釈の方はともかくとして,準抗告の場合は裁判官3人を集めるのが時間帯によっては翌日になる,可及的に迅速な対応が必要なのは承知しているが,ある程度はご了解願いたい」とのこと。なんでも、所長が合議に加わり判断している場合も散見されるとか。
捕まえる方の関係で、人っ子一人いないことが考えられない役所だけに、こういう取り決めがされていれば釈放方向も迅速に処理されるわけである。
地道な協議が先進的な取り決めに結実したと考えれば、当方の努力不足を思い知らされなくもない。とまれ、躍起になって抗議文を出さなければ1週間先送りされかねなかったというのでは、つまり、当地は人権後進地域と言わざるを得ないのだから。
きちんとした刑事弁護委員会があれば、こういった問題は会が取り組むべきなのだけど、というところである。
(弁護士 金岡)