名古屋地裁刑事第4部(神田大助裁判長)。
「もっとも、被告人が被害者と接触しない旨誓約していること等を考慮すれば、上記罪証隠滅のおそれはさほど高いとはいえない」
勿論、誓約書は、原決定審(保釈却下決定)から提出している。というより、勾留準抗告段階から提出している。
「どれほど保釈金を積んでも、その誓約はあてにならない」と判断した裁判官と、「ある程度、積ませれば、そこそこ信用できる」と判断した裁判官がいる、ということになる。
その分水嶺は、決定書からはさっぱり見えてこない。
この分水嶺が見えるような決定書を書いて頂けると、すっきりするのだが、そうならない限り、裁判官の当たり外れは勿論、その日の御機嫌の善し悪しなど、とにかく非論理的、非理性的な理由で振り回される日々が続くのだろうなぁと思わされる。
少し話が飛ぶが、「ある程度、積ませれば、そこそこ信用できる」と判断した裁判官がいるなら、勾留準抗告段階とて、もっとなんとかなるはずではないだろうか。
準抗告認容で釈放された被疑者が被害者に働き掛けたとして、発覚すれば、別件による逮捕、少なくとも事情変更に伴う再勾留が有り得よう。回復した自由(そこには家族との繋がり、会社との繋がり、社会との繋がりも含まれる)が謂わば保釈保証金代わりになっている、ということも、裁判所に共感頂きたい。
(弁護士 金岡)