最近開設された「刑事弁護オアシス」に登場する有力な刑事弁護人曰く、全体に占める刑事事件の売上げは「多分2割、3割ぐらい」という。
なるほど、同じことをよく聞かれるが、「全体に占める売上げは2~3割、でも割く時間は8割」などと答えてきた記憶である。
体感的には同じなんだなと思いつつ、さて実証的にはどうかと思い立って、昨年4月から本年3月までの1年間で数字を出してみた。
昨年は、規模の大きな事案や、立て続けの捜査弁護を受任したため、少々、数字が偏る危険はある(刑事の売上比率が高まる)と懸念してはいたが・・いざ数字を出してみると、なんと47%。あまりの数字に少々、驚いた。
一般民事事件、一般家事事件も、相当手広くやっているはずなのに、そして刑事事件の弁護士費用は「寧ろ安め」と自負している割に、この偏りというのがどういう意味を持つのかは、すぐには分からない。
因みに、刑事事件売上げに占める刑事事件報酬割合は27%と出た。
否認事件の公判弁護で成果を上げることが求められている立場である以上、勢い報酬比率が下がるのは致し方ないと言わざるを得ないが・・せめて五分五分くらいにはしたいものだ。
(弁護士 金岡)