一般に、
・裁判所構内における代用監獄での接見時の差入れ
・検察庁構内における接見時の差入れ
・裁判所構内における拘置所接見時の差入れ
と、それぞれ、三者三様の対応の違いがあり区々なため、しょっちゅう、もめる。

さて今回は、某所の裁判所構内における拘置所接見時の差入れについてであるが、被告人から一筆をもらうために白紙を差し入れようとすると「ここでは手続が取れない」と。「手続」といったって、弁護人の身分は明らかで、従って差入れ権も明らかで、白紙はどこまでいっても白紙なんだから(法律上許容される外形検査は十分)・・と、もめた。
すったもんだした挙げ句、なんと「手続に必要な願箋を至急、拘置所から運ばせますので、それで一つ御願いします」という形で落着した。そこまで形式面に拘るというのも奇異なものだが、上司の判断を仰いでおられたようなので、上司の判断なのだろう。
・・ということは、今後、押送担当の刑事施設職員は、常に願箋用紙を多めに携帯しておけば良いと言うことになる。同じような軋轢が生じている向きは、各地単位会をして拘置所等と協議してもらえば良いのでは無かろうか。

因みに、願箋到着を待つ間、待ち惚けというわけにもいかないので、事実上、白紙を差し入れて、執筆を先行してもらい、差入れ願箋は形式的に後から作成した。この、ある種の便宜(当方から見れば当たり前の措置だが、先方の立場からすれば事実上の便宜になろう)取扱についてもやはり、上司の判断を仰がれていたものである。

(弁護士 金岡)