とある弁護士から、「ゆうちょ銀行に、依頼者の代理人として個人情報開示請求を行ったところ、代理人弁護士の日弁連の印鑑証明、代理人弁護士のパスポートか免許証など身分確認証、依頼者の委任状を提出しろと言われたが、どんなもんだろう」と聞かれた。

そういえば過払い全盛のころ、こういう嫌がらせめいた対応をしてくるサラ金がいて、それに追随して、ゆうちょ銀行(だったかその前身だったか)が真似しだしたことがあるなぁと懐かしく思ったが、今時まだやっているとは知らなかった。

代理人としての個人情報開示請求である以上、請求段階で委任状の写しは付けるが、それ以上に、代理人弁護士の登録印鑑証明やら身分確認証がいるとは思えない。第三者が弁護士になりすましている可能性を懸念しているのだろうか?
こういう場合、「日弁連が登録しているうちの事務所の住所・電話・ファクス(日弁連のウェブサイトで誰でも閲覧できる)で遣り取り出来ているのに、まだ実在証明がいるんですか?」「拒否なら拒否で法的手段をとっても良いんですけど」と言うと、サラ金だの、ゆうちょ銀行だのは、さっさと要請を取り下げるものと承知している(実際上記のような書類を出したこともなく支障なくやっている)。未だに続いていると言うことは、応じる弁護士の方が多いと言うことなのだろうか。いわれなき要求に応じたり、それにより代理業務が停滞することは、職業的な沽券に関わる。厳格に対応して欲しいものだ。
もし相手の職員が要請を取り下げない場合、「そんな馬鹿げたことを言ってくる、あなたが、本当に、ゆうちょ銀行の社員さんか実在証明して欲しい。社員証と、在職証明書、それから、あなた個人の住民票と印鑑登録証明書を提出して下さい。」と言えばどうなるだろう。流石に非を悟るのではないか。

(弁護士 金岡)