本欄本年8月12日付けで、札幌地裁の書記官による申立書中の暦年表記を元号で統一させたいという指示について、最終的に裁判所が書記官の独断であるとして同運用を否定して幕引きになった案件を報告した。
私も、今回の退位等々を契機に元号使用をやめ、裁判所の事件番号も西暦表記に統一したのであるが、先日、名古屋家裁書記官から「事件番号まで西暦表記にするのはやり過ぎだ」「このまま続けると問題がある」と言われた。
早速、然るべき役付の方の説明を要求したところ、翌日、謝罪があった。書記官の独断であり、事件番号を含め元号使用を要求することはしない、きちんと指導するとのこと。
くだんの書記官に悪気はなかったのだろうが、公務員としての自覚、教養には欠けているなぁと思わされた。そして、「このまま続けると問題がある」との脅し文句の、「問題」がなにかは、結局、分からないままである。
(弁護士 金岡)