例の如く無罪主張の事件で、論告と弁論を別期日(1週間、開けて)にした上で年度内の判決に進むという想定の下、弁論期日まで予約された。
そしていよいよ、論告を伺いましょうとなったが・・
検察官「論告は準備できておりません」
裁判長「・・・その理由は?」
検察官「採否留保の証拠が、期日間で判断されるはずだったのに、されなかったので」
という事態になった。
この「採否留保の証拠」は、必要性が乏しいものばかりであり、現に検察官は、却下されたことに対し代替立証計画を用意するでもなく証拠調べの終結に応じていた。
従って、強いて採用されなくても大した違いはないことは傍目にも明らかであり、全く言い訳にならないものであった。一言一句同じかは別として、裁判所も、このような検察官の態度を不本意と指弾した。
さて、この検察官は、実は前月にも(そちらは公訴事実に争いがない、本欄本年1月15日の事案であるが、)同じことをやっている。
論告弁論まで進んで結審という予定であったのに、「弁号証が直前に請求されたから論告は用意していません」というのである。因みに、その弁号証は、捜査段階の更に前段階で既に収集され、検察庁に送られていたものである。「全部同意します」と述べた時点で、論告の構想にさしたる影響はないことが見え見えであるのに、「でも論告は用意していません」で済ませようという肚には大いに驚かされたものであるが、翌月も同じことが起きたところを見ると、なんやかんやと口実をつけて仕事を先送りにするという、とんでもなく怠け者な~というよりは無能な検察官なのだろう。
現在、名古屋地検に所属している西山検察官(女性)である。
検察官といえば「秋霜烈日」つまり「刑罰・権威などが極めてきびしく、また厳かであることのたとえ」を地でいく存在だと謳われているが、こと西山検察官は、霜は溶け、ぬかるんでべちゃべちゃ、真面目に裁判を受けている被告人をぬかるみで転ばせて喜んでいそうな趣の検察官だと言って差し支えないだろう。
(弁護士 金岡)