本欄本年6月4日の依頼者から「喜びの声」の手紙が届いた。(手紙が届いた日に保釈もされたので直接も聞けたが)折角なので掲載しておこう。

「父親と妻に手錠姿を見せるのは、とても苦痛だと思っていましたので、入場時は本当にナーバスになっていました。裁判所の協力もいただき、あのような対応をいただき、本当に感謝しております。」

やはりそうだよなぁと改めて思わされる。
十数年、これに鈍感であったことには恥じ入らなければならない。
そんなものだと思って言い出せない被疑者被告人(勾留理由開示公判だって気遣いすべきだろうし、「裁判官にも見られたくない」(或いは「裁判官も見るべきではない」)という問題の源流に戻れば出頭させる向きは整理手続だって気遣いすべきだろう)、そんなものだと思って言い出さない弁護人も、結果として問題を助長してきた。
倦まず休まず、やる必要がある。SBM問題を手がけたころ、名古屋地・高裁のあらゆる部で実績作りをしたと嘯いたものだったが、腰縄手錠問題も、(勿論、弁護人の自己満足や暴走では無く、)地道に続けなければならない。

(弁護士 金岡)